就職者インタビュー 就職者インタビュー

①テレワーカーズ柏利用前の状況
実は上司の指示を理解できておらず、
勝手な部下と認識され、うつ症状に。

これまで二十数年、業務委託で構文解析、お客様窓口の対応や事務などをやってきました。人とのコミュニケーションの苦手さから発生する小さな問題は色々ありましたが、自分ではある程度仕事がきちんと出来ている、周りからも信頼されていると思っていました。
ステップアップするつもりで入った経理の職場で大きな壁にぶつかりました。上司に質問したくても忙しい方でなかなか細かく聞くことができず、「分かったつもり」で進めることが多くありました。ただ実際は指示をずれて理解しており「指示に従わない部下」「勝手な行動をする部下」と認識されていきました。相談する相手もおらず、どのように行動すればよいかわからなくなり、自分を責めて落ち込みうつ症状が出るようになりました。 休職後、人も環境も同じ職場に戻る自信がなく退職しました。同時期に自閉スペクトラム症(ASD)と診断されました。過去の仕事も振り返ると、たまたま自分の苦手がカバーされる職場だったのだと気づきました。
発達障害の可能性があるのではないかと感じていたので、診断が出て自分の性格の問題ではなく、努力の及ばない障害特性なのだとほっとする思いでした。一方で治ることはなくこれからもずっと変わらず辛いのだ、と烙印を押されたような気持ちにもなりました。

②テレワーカーズ柏利用のきっかけ
障害者雇用と在宅勤務、
これなら働けるかも、という思いでした。

家族のためにも早く次の仕事に就きたかったのですが、自信を失っていました。そんな中で漠然と、障害者雇用だったら働けるのではないか、苦手な人づきあいをあまりしなくて良さそうな在宅勤務だったら働けるかもしれないと思いました。テレワークに特化した就労移行支援があることを知り、利用を始めました。

③訓練して得たこと・感じたこと
自分を責めるのではなく、障害特性で起こる
事実を受け止め、対策することを学びました

訓練の中で「障害特性というのは治すものではない」と教わりました。障害特性があって仕事に影響が出ることに対して対策を持てばよいということを知りました。何か問題が起きたら自分を責めるのではなく、事実を受け止めたうえで対策を取ればよいのだと。
とはいえ発達障害の診断が出たのが50歳近く。問題がある人間だとずっと感じ、トラブルがあれば自分が悪いと責め、自分を否定して長い間生きてきました。そのしみついた感覚はなかなか無くならず、スタッフの方々に繰り返し指摘されましたが、受け入れることができませんでした。
ある時、スタッフの方に「これからの働き方をどうしていくのか」と問われ、真剣に考えさせられることがありました。その時、長く安定して働き続けるためには障害を開示して在宅勤務で就職するのだと腹が決まりました。そこからようやく指摘を受け入れることができるようになりました。

④就職活動の支援 役に立ったこと
相手の質問を復唱することを教わり、
緊張や混乱を軽減できるようになりました!

とにかく話すのが苦手なので、面接が大変でした。質問されて緊張すればするほど頭が真っ白になって何も答えられず、質問とずれた話をしたりする状況でした。
その対策として、相手の質問を復唱することを勧められました。実際に復唱してみると、自分が何を話すかに立ち戻ることができ、落ち着いて話すことができました。面接だけでなく普段の訓練でスタッフの方と話すときも、相手の話を復唱してから自分の話をするようにしました。

⑤内定が出た時の気持ち
長く働くために、訓練で得たことは
意識し続けようと思っています

仕事をするうえで障害となることは、発達障害の特性によるあいまいな指示の理解がずれること、想定外のことが起きた時にあまり考えずに衝動的に行動したくなるという点だと思っています。訓練で対策を持てるようになりましたが、長く働き続けるためにも、就職してからも対策を取り続けることを意識していく必要があると思っています。
苦しいことばかり見つめないで、自分が楽しいことや幸せを感じることにも目を向けていきたいと思っています。

⑥テレワークで就職を目指す皆さんへのメッセージ
自分も励まされた先輩の言葉を引き継いで、贈ります!

私は就職活動に入るまでの約1年7か月がとにかく長くて、スタッフの方々からの指摘もなかなかピンと来なくて苦しみました。先が見えず、自分にはもう無理だと感じて、投げ出したいような気持ちにもなりました。
先に就職した方が体験談を話してくれたとき、私たちに言ってくれた「あきらめるなよ!」という言葉。その思いが私を踏ん張らせてくれました。
この言葉を皆さんにバトンとして渡したいと思います。